ボージョレ・ヌーボーはサンプル品。サンプル品に高い金を出すの?
ボージョレ・ヌーボーは、たとえば日本酒の「新酒」とはかなり意味合いが違う。
日本酒の「新酒」は、その年に取れた米を使って「最初に市場に送り出す自信作」という意味がある。 だから価格もそれなりに高く、丹精込めて作られているから品質も高い。
製法が普通の日本酒と同じだから、そのような意味づけの製品になる。
しかしワインのボージョレ・ヌーボーはそう言うものでない。
ワインはもともと長い期間の熟成をして完成品になる。だから短い期間では普通のワインのような完成品にはならない。 しかしニーズとしては、「今年取れたブドウを使ったらどんなワインになるか早く知りたい」というニーズがある。 そのニーズを満たすために、普通のワインとは異なった製法で長期間の熟成をせずに、ワインを完成させているのがボージョレ・ヌーボー。
なぜそのようなニーズが強く、わざわざそのための製法や商品があるのか。
その理由は、ワインがブドウの品質によって、極めて大きな影響を受けるからだ。収穫されたブドウの質で、ワインの出来が大きく変わる。
だから、その年に収穫されたブドウを使ってワインを作ったら、どんなレベルの、どんな風味のワインになるかを先んじて知りたくなる人たちが大勢いる。 そういう人たち向けの「サンプル品」が、ボージョレ・ヌーボーと言うわけ。
なので、普通のワインが好きが、高い金を出してまで購入するようなワインではそもそもない。
日本では、日本酒の「新酒」のイメージが広く浸透しているため、それと同じようなものだと誤解している人間が多くいる。
「新酒」だと称して大々的に宣伝して売れば、高値でも喜んで購入するバカが大勢いる、というわけ。
なので、ある程度ワインに詳しい人間は、わざわざ高い金を出してボージョレ・ヌーボーなど買わない。 ボージョレ・ヌーボーを購入する人は、広告宣伝に簡単に騙されてる、ワインをよく知らない人がほとんどなのです。